甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

#小説

ドラマ半沢直樹の原作「オレたち花のバブル組」

銀行と金融に興味がある人は読んだほうが良いです。 銀行内での派閥争い。 融資をめぐっての、銀行側と企業側との駆け引き。 不良債権を抱えた老舗ホテルをどう再生させるのかといったところや、金融庁の意地悪な検査をどう切り抜けるかといった起承転結のし…

ハゲタカ上巻

ハゲタカファンドを題材にした小説です。 破綻寸前の企業を買収し、改革を行いそれを高値で売ることで利益を得る、それがハゲタカのやり方だと解釈しています。 一見、いい言葉では無いように使われていますが、企業再生をするという意味では、その企業にと…

ドラマ、半沢直樹の原作本「オレたちバブル入行組」実は「倍返し」と言う言葉は出てこない

42%くらいの視聴率を取ったドラマ、半沢直樹の原作本です。 読めばわかりますが、ドラマであれ程登場した倍返しという言葉は出て来ません。 最後の方に10倍返しという言葉は出て来ますが、それも一度きり。 数年前、ドラマが始まる前に一回読んでて、今回再…

「水族館ガール」水族館のお仕事小説

水族館には年に一回行ってます。 かなり取材したみたいで、水族館の蘊蓄や、イルカやラッコの生態何て細かに書かれています。 本当かどうかは、図鑑なんかで確認する必要はありますが、、、 主人公は市役所に勤める公務員で、ある日突然、水族館への出向を命…

ややこしい話なのに分かり易い[タイム・リープ<上> あしたはきのう]

主人公の女子高生の意識だけが過去と未来(といっても日曜日から土曜日の一週間)を行き来する。 頼りになるのは秀才の男子高校生だけ。 彼だけが彼女のタイムリープのことが理解できています。 月曜日と思って学校に行くと火曜だったり、明日は何曜日なのか分…

今夜、すべてのバーで

著者自身もアル中で、その体験に元づいて書かれたような内容です。 かなりの文献を参考にして書かれているようで、ユングやフロイトなんかの夢分析の話や心理学の話に絡めて、アル中やその他に依存する人間とは一体何なのかといったことまで考察が及んでいま…

野沢尚「 殺し屋シュウ」

割といろんな本の面白いところばかり齧って来たので、読んでみて普通という印象を持ってしまいました。 amazonでは面白いというレビューが多いが、人それぞれと言う事かなあ。 確かに一話一話大切に書かれていて、なんでシュウが殺し屋になったのかとか、親…

「絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。 ネット小説創作入門」を読んで小説家を目指そう

小説家になろうや、カクヨムなんかで小説を趣味で書いていたり、商業出版を目指している人が読むといいと思います。 ネット小説は、いわゆる文芸誌に載っているような純文学と違います。 ネット小説はタイトルそのものが長い文章で、それを読んだだけでどん…

「稼ぐ作家になるための裏技Q&A174」編集者のなあなあっぷりに気を付けよう

アマチュアから作家デビューしたての人たちの問い合わせに、プロの小説家が回答するということで、稼ぐ作家になるための裏技を伝授するという内容の本です。 QA形式なので、どこから読んでもOK。 暇な時間や、こういう時どうだったけ?って思ったとき開いて…

梁 石日「裏と表」

主人公が、念願かなって新規オープンした金券ショップを中心に話が進みます。 ある日、謎の女が、偽造高速券を、その金券ショップに大量に持ってくるところから話が変わっていきます。 金券ショップを利用した政治献金に絡む裏取引やら、怪しい手形割引で会…

池井戸 潤「ようこそ、わが家へ」

主人公が駅のホームで電車待ちの列に割込みした男に逆恨みされて、追いかけられるところから話が始まります。 何とか、逃げ切る主人公ですが、家の場所を知られてしまい報復を受けることに。。。。 並行して、銀行員である主人公の出向先である電子部品の会…

「フリーター、家を買う。」タイトルって大事だなあ。。。

序盤で、主人公のお姉さんが、父親の失態を罵るところは中々の迫力で、読んでて辛くなるくらいだった。 何もそんなに言わんでもいいのにってくらい。 父親がしでかした失態で、ご近所のおばさんたちから、虐められた過去を持つ主人公とその姉、そして母親。 …

池井戸 潤「下町ロケット」

文章が読みやすいです。 すらすら頭に入ってきます。 小難しい表現とかが無いので、素直だし、何よりロケットの難しい専門的な内容も、分からなくても読めてしまうように書かれています。 物語のキーテクノロジーであるバルブって何?って状態で、結局よく知…

梁 石日「雷鳴」

1918年の済州島が舞台。 18才の春玉は、実家の李家を助けるため、地元で名門の尹家に嫁ぐことになります。 夫は、わずか10才の子供です。 まるで、政略結婚のようです。 親離れしていない幼い夫は、姑である母親になついたまま。 姑は、姑で、息子を奪った春…

「蠕動で渉れ、汚泥の川を」を読んで西村賢太を忖度

時系列的には苦役列車で、イカだのタコだのの冷凍の塊を運んできたころの一年前くらいの話になります。 なんと、洋食屋でコックとか出前と言った今までとは趣向の違うバイトをしています。 相変わらずの書き割り、話の流れは、これまで読んできた方にとって…

横山秀夫「真相」面白かった。

短編が五編収録されています。 一編がだいたい70ページくらいで、中編未満の短編って感じで、ちょっと読むのにはちょうどいい分量です。 それでいて、読みごたえがありました。 主人公の立場と環境が五編ともそれぞれ異なっていて、職業がみんな違います。 …

「百年法 (下)」最後は不老不死の意外な欠陥が

上巻を読んで、続きが気になるので下巻も。 拒否者村での展開が、ややダレたけど、読みやすい文章だしキャラクターも分かりやすいので、問題なかったです。 上巻のような状況設定の説明は終わり、その世界で暮らす様々な人々の群像劇と言う展開では無くなっ…

「亀裂─老朽化マンション戦記」面白い題材でした

亀裂が入ったゴールドハイツというマンションを建て替えるかどうかで、反対派と賛成派の住人が意見を戦わせるというのが本筋。 で、あとは住民同士の思惑があり、恋愛があり、と肉付けがされている。 あまり無い題材なので、興味が出てきて読んでみました。 …

山田 悠介「その時までサヨナラ」を読んだ

福島の地震のことが書いてあって、震災後に書かれた物語かと思ったら、震災前だったのでびっくり。 話では、その地震で妻を亡くした男が、家族の大切さに目覚めて行くというものです。 亡き妻の友達の女性が突然現れて、仕事に没頭して子供をほったらかしに…

百年経ったら死なないといけない世界の話

政治とか法律とか色々絡んでくるので、難しい言葉と内容かと思ったらとても読みやすかったです。 文章が分かりやすく書かれているのだと思います。 百年法とは、この架空の舞台、日本共和国で施行されている百年後に死ななければいけないという法律のことで…

西村賢太の私小説

西村賢太の私小説をよく読みます。 発表されてる作品が、1作品を除き私小説という作家です。 芥川賞を獲ってます。 ちょうど風俗に行こうとしたとき、受賞の電話を貰ったという逸話があります。 藤沢清造という作家に、異常なほど傾倒していて、本人に許可な…

吉川英治の三国志全8巻読みました その2

三国志5 かの有名な赤壁の戦いが収録されています。 前半のクライマックスといった感じで盛り上がってます。 劉備が孔明を軍師に迎え、いよいよこれからといったところです。 孔明と劉備が話してると、関羽、張飛がちょっとやきもち焼いてるように見えます。…

吉川英治の三国志全8巻を読みました

光栄の歴史シミュレーションゲーム「三国志」にはまった時期があり、小説のほうにも興味が出てきたので読んでみました。 3カ月かけて、吉川英治の三国志全8巻を読みました。 以下感想です。 三国志1 劉備が黄河を眺めている場面からスタートして、関羽、張飛…