甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

山田 悠介「その時までサヨナラ」を読んだ

福島の地震のことが書いてあって、震災後に書かれた物語かと思ったら、震災前だったのでびっくり。

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話では、その地震で妻を亡くした男が、家族の大切さに目覚めて行くというものです。
亡き妻の友達の女性が突然現れて、仕事に没頭して子供をほったらかしにする男に、ビシバシ料理や生活の指導をします。
男の心境が徐々に変わり、環境も変わることで、家族への気持ちが芽生えて行く。
実際、芽生えるきっかけが、主人公の男の仕事での挫折っていうのが、ちょっと他力本願と言うか急すぎたか。

作家だけあって、男のやっている編集者という仕事の描写がリアル。
と言うか、誇張してるとは思うけど、なるほどこうなんだねって言う感じ。

あと、すごく読みやすい。
難しい表現も、四字熟語も無い、まあ、けれん味が無いというか、飾りが無い文章です。
だから、読みやすいし、伝わりやすい部分もある。
そういう意味では、自分が大人でなく、小説を読み慣れていない高校生くらいの時に読んだら素直に感動したと思います。

ストーリーはありきたりな感じだけど、最後のオカルトと言うかSFチックな展開は好き嫌いあるかなあ。