甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

ハゲタカ上巻

ハゲタカファンドを題材にした小説です。

イメージ 1


破綻寸前の企業を買収し、改革を行いそれを高値で売ることで利益を得る、それがハゲタカのやり方だと解釈しています。
一見、いい言葉では無いように使われていますが、企業再生をするという意味では、その企業にとっていいことをしているのかもしれません。
ただ、強引過ぎて、役員を全交代したり、同族を追い出したりと一部の人から見たら非正義な行いをしているのは事実。
まあ膿を出し切らないと何事も一から出直せませんからね。
そういった厳しさみたいなのが物語から伝わってきます。
銀行、ファンド、企業、これらが三つ巴になって話が展開して行くのだけど、登場人物と専門用語がやや多いので、子供や業界のことを知らない人は途中で訳が分からなくなるおそれありです。
経済紙を読み株をやってる人なら十分楽しめる内容です。
バルクセールで購入した使い物にならない企業をどうやって再生させるのかが面白い。
あとは料亭での重要人物と主人公の駆け引きも、セリフがポンポン飛び出して面白かったですね。
主人公が日本人でその仲間たちが外人というのも斬新です。
外人の恋人とのやり取りが何だかバタ臭いけど、そこが笑えるところでもあったりする。
お金周りの描写は詳細ですが、人物の描き方が若干あっさりしていて悩みとか葛藤が薄い感じはした。