甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

梁 石日「裏と表」

主人公が、念願かなって新規オープンした金券ショップを中心に話が進みます。
ある日、謎の女が、偽造高速券を、その金券ショップに大量に持ってくるところから話が変わっていきます。
金券ショップを利用した政治献金に絡む裏取引やら、怪しい手形割引で会社の負債を何とかしようとする輩が次々出てきます。
金がどう洗浄されていくのかが見ものですが、ちょっと、展開が駆け足になってしまい追いつけないところがありました。
手形についての知識や、金融の知識が乏しいのもありましたが。
ただ、細かいところ理解できなくても、話の雰囲気は伝わるので、そこは囚われずに一気に読んだほうが楽しめる内容だと思います。


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金券ショップの裏事情的な話が出てきました。
どこまでが本当かわからないですが、色んな客が来るようです。
 テレホンカードを毎日持ってくるホームレス
 横領したと思われる切手をちまちま持ってくるサラリーマン
 デパートの商品券を10枚、毎日買いに来る男
こんな人たちが、実際本当に来てるかはわからないけれど、そうなんだろうなと思わせる話になってます。
これらの偽造も含めた金券が、一旦ショップに集まり、名前も知らない人達がそれを買っていく。
金券自体、誰に売ったとか記録がないので、人の手に渡り続ければ、どこからどこへ金が流れたのかも分からなくなる。
そこに目を付けた、主人公の友達が、資金洗浄のために、金券ショップを利用しようとします。
スリリングな展開が続きますが、主人公の店で働く、女の子アルバイト2人のやりとりで、何だかなごみます。
意外に女に純粋で、他の怪しい人間から利用されがちで、話のキーとなる謎の女に翻弄される主人公ですが、最後はハッピーエンドです。
最後は、全ての伏線を回収するかのような、どんでん返しもありました。