吉川英治の三国志全8巻読みました その2
三国志5
かの有名な赤壁の戦いが収録されています。
前半のクライマックスといった感じで盛り上がってます。
孔明の万能っぷりがすごいです。
兎に角文章がてきぱきしていて、読んでいて心地よいです。
血の流れる戦の描写まで爽やかです。
三国志6
また、黄忠と厳顔の老コンビが勇ましく頑張ります。
年寄りの冷や水だの何だのと、冷やかされながらも、見ておれとばかりに大活躍。
五虎大将軍が揃いました。プラス孔明。
劉備軍、全盛期です。
どんどん攻め入って劉璋 から領土を奪取し、蜀が出来上がりました。
ここから、魏、呉、蜀の三国志になります。
群雄割拠していた時代と戦争の意味合いが、異なってきているのを感じます。
一戦、一戦が、血気に逸った思慮浅く適当な内容ではだめになってきています。
戦に至るまでの準備やそのあとの処理が大事になってきたんだなあという印象です。
それだけ、国が大きくなり何もかもを運営することが難事となったのでしょう。
序盤の、英雄が乱立した小競り合いのころが懐かしいです。
三国志7
寂しくなっていきます。
大物といえば、張遼も亡くなっていますが、こちらは、その顛末がたったの一行で片づけられていて、
「あんなに活躍してたのに!」という感じです。
ですが、こういうさっぱりしたところも好きです。
最も心に残りました。
巻の後半では、孔明が南蛮に攻めて行きます。
兀突骨に至っては人間とは思えない描写です。
孟獲は、七回生け捕られ、七回放逐されています。
その度に、孔明に対して吐く悪態や負け惜しみの数々、、、七回目に生け捕られて、やっと改心。
何か、憎めないキャラクターです。
すごいのが、初期から活躍している趙雲が年とっても未だに功を立てているところ。
三国志8
孔明が死んでしまい、物語もここで終わります。
そのあと、短いですが、孔明がどんな人だったかという解説と、蜀を含めたその後30年の話が書かれています。
まさにその通りだと思いました。
曹操の破天荒ぶりも、その人が亡くなったあとは、それを引き継ぐかのような登場人物は出てきませんでした。
本当に、完璧な軍師で、向かうところ敵なしといった感じです。
ただ、惜しむらくは、蜀に人材が足らなかったということだけですね。。。。
孔明の悪い噂をの流して、信頼度を落とす、味方の武将までいたり。。。
誤って蹴飛ばされて、消されたり。。。
また、運もなかったです。
司馬懿をあと少しで、火計で焼き殺すことが出来たのに、突然雨が降ってきたり。。。
こういったことがなければ、蜀は魏に勝てたのではと思えてきます。
司馬懿は結構、鏡に映った自分と戦ってただけのような感じもするし。。
ただ、孔明の短所として、遊びがないということが書かれています。
それが人を寄せ付けがたく見せていて、結果、良将が集まり辛かったのではと解説されています。
「ふつーあきらめるやろー」と思うような事態に何度も遭遇しても、取り乱さず、次々新しい案を考え出しては
実行する孔明の姿勢は、すごいの一言です。