甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

「牛を屠る」を読んで

本書の構成は、作業場の流れ図1P、本文9-131P、文庫版オリジナル対談132-165Pとなっています。

淡々と、だけどそこで働いたことにしかわからないリアルな表現で、語られています。
特に印象に残っているのは、「牛の血は熱く、私の右腕は肩まで真っ赤に染まった」です。

お店に行けば、既に出来上がったものばかり売られていて、作られる過程がブラックボックスしています。
特に、牛や豚が肉になる過程は一般にほとんど知られていないのではないでしょうか。
本書を読むと、牛や豚がどういう過程で、肉になっていくかが詳細に書かれていています。
牛、豚がナイフで裂かれ、皮を剥かれる描写が多々ありますが、不思議と、牛、豚がかわいそうだと思いません。
おそらく、牛、豚を屠殺することが仕事として真摯に描写されてるからだと思います。

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屠殺という一般的には特殊な仕事ながら、読んでみるとどんな仕事にも当てはまる悩みや、達成感といった共通体験が描かれています。
本書に、「若い人に向けて」と書かれています。
新社会人は一読しておくとよいのではないでしょうか。
若くなくて、ベテランの人も自分の仕事と重ね合わせて読んでみると、明日からの心構えになるかと思います。

ともかく、これを読んだ後、ちゃんと「いただきます」「ごちそうさま」をご飯の前に言うようになりました!