甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

「「本が売れない」というけれど」書店の取り分22%という事実。

門外漢です。
出版社、取次、書店そのいずれにも属したことは無いです。
消費者側からの視点で読んでみました。
確かに、以前に比べて個人で本を買うことは少なくなりました。
その理由としては、
・図書館の利用
・ネットの読み放題サービスの利用
などです。
本を買ったとしてもブックオフamazonで安価に中古品を購入することが多い。
自分が二十代だった1990年代後半から2000年初頭の頃に比べると圧倒的に書店で新品の本を買っていません。

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本屋が置きに行くような売れ筋の新刊書ばかりを揃えていて、どの本屋も同じように見える。

と言うようなことが、この本で指摘されています。
その通り、話題にされている新刊書ばかり扱う書店が多いので、本当に欲しい本が見つかりません。
見つからないので図書館やamazonを利用しています。
リアル書店には手に取って確認できるというメリットはありますが、自分の買うものに関してはネットでどんな本か調査できるので手に取る必要も無くなってきています。
これもネット環境の充実ととネットの情報が増えて来たせいだと思います。
これに対抗できるのは、本ならではの質感やデザインなんだと思いますが、それだけでも難しいだろうなと思っています。
個人の視点から、本が売れない理由はこの辺りじゃないかと思っています。
そして、本書を読んでみてある程度自分が感じていることとそんなにずれてないなあと思いました。

本の売上は下がっているのに本の種類が倍化していて、作る側と売る方が大変と言うことが良く分かりました。
これもネットの発達により、個人の趣味が細分化して行ったから本の方もそれに合わせていろんなジャンルが出て来たからだと思います。
狭いジャンルの本も出せば売れるようになったということですが、そうなると今度は売れる種類は増えても売れる量が減るわけで、手間が倍かかるのに売り上げが半減と言う悲しい事態になって居ます。

業界ならではの問題があり、出版社と書店の間に取次と言う問屋があり、これが需要の調整をしています。
取次は大きな本屋に沢山卸し、零細書店には少量しか卸さないようです。
だから、街の書店には村上春樹の新刊は少ないのですぐ売り切れてしまいます。
逆に大きな書店には沢山あるので売れ残ります。
お客は欲しい本が無い店には行かないので、大きな書店が栄えて小さな書店がつぶれる。
今どき、ネットワークもデータベースも発達し、情報システムもビッグデータと騒いでる世の中で、こういった初歩的な需給のミスマッチを起こしているのは驚きです。
業界としてデータ分析しないんだろうか。何時代なのだろうか。。。

書店の取り分が本一冊当たり22%と言うのも悲しい。
幾ら売ってもそのマージンが変わらないのだから、そりゃ潰れるし売るための工夫のための投資も出来ない。
反対に店舗もいらない取次もいらない電子書籍は、手間とお金を省ける分内容に時間が割けるから発展しそうですね。

ただ書店もこの事態に黙っていないようで、いろいろ工夫はしているようです。
ビールが飲めて店主こだわりの本が読めるとか、雑貨を一緒に売って本も一緒に見てもらうとか。
あとカフェを併設したりとか。
業界全体で頑張って面白い本を作ってほしいです。