甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

企業戦士という小説を読んで、働きすぎについて考えてみました

企業戦士という小説を図書館で借りて読みました。

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ページ数は450あるけど、改行が多いのでスラスラ読めます。
文章も平易で読みやすいです。
そして内容も分かりやすいです。
登場人物たちにちょっと個性が足りないというかステレオタイプなことから、最初のほうは、特に悪役については誰が誰やらわからないところがありました。

過労が原因で自殺した主人公(後に上司のパワハラが原因で殺されたことが分かる)が最初から死んでて幽霊の状態で出てくるので、ファンタジーかと思いきや、なかなか社会派な物語でした。
働きすぎで過労自殺や上司のパワハラ、建設業者と市政との談合などといった、社会問題も取り上げられててテーマが硬派です。
ただ文章がいい意味で明るく軽いので読んでてそれほど重さはありませんでした。

会社を相手取り夫の労災を勝ち取ろうとする自分の妻を、幽霊になった主人公が応援しながら、自分が何で死んだのかを思い出そうとするのがストーリーの軸になってます。
ここで幽霊になった主人公が安易に超能力とか使って妻を助けたりしないのが良かったです。
とにかく主人公はただ子供と妻を見守るだけ。
妻を励ましても妻の耳には何も聞こえない。
それが扱ってるテーマとかけ離れたファンタジーに走ってなくて良かったです。

話に何度となく登場する、仕事は失っても取り戻せるけど、家族は失うと取り戻せないっていうところが、なるほどそうだなと思いました。
自分を犠牲にしてまで働いた結果、家族を悲しませることになってしまって、幽霊になった主人公は後悔しています。
最近、過労自殺のニュースが多いです。生活するために働いてるのに、働きすぎとかで死ぬのは本末転倒です。
だから、どうにかなる前に逃げればよかったのに、、、と言いたくなるのですが、、、
この逃げるというのも中々難しいのですよね。

逃げた後のことを考えてしまうからでしょうね。。。
逃げて復帰したときの周りの対応とか気にしちゃうし。
黙って逃げた後の職場のことも考えてしまうし。
ここで我慢せずに逃げたら逃げ癖が付くかなと考えてしまうし。

でも、自分としては逃げたり逃げられたりした両方の立場を経験したから言えるけど、逃げても、残された人たちで何とかなるし、周りはそんなに気にしてないですよ。ほんと。