甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

「ほかならぬ人へ」白石一文

二編収録されています。

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一つは直木賞を取った話で、もう一つは何かに載せた短編なのかな。
とにかく文章によどみが無く読みやすい。
ただ、ありきたりな話で起伏はあるんだけど読んでてそれほどハラハラもしない。
主人公が元キャバ嬢と付き合って結婚するんだけど、その女が元カレのことをまだ忘れられず、逃げられるという話からスタートします。
結局女は、女にだらしない元カレのことが好きで、どんなに誠実な主人公でも、勝てることは出来ません。
好きなんてのに明確な答えなんて無いし、フィーリングだったりするし、縁とか運もあるので仕方ない部分はあります。
これは実社会でも感じていることです。
それを表現できていると思う。
一気に読ませる作りになっているし、つまらなくもない。
だけど、面白いかって言うと、淡々としていて先がどうなるかは気になるけど積極的に続きを知りたいほどでもないという平凡な話だったという印象。
よくある恋愛もので、人を好きになる話は理由とか難しい過去とか作らないでよい分、話を作りやすいんだろうけど、直木賞ならひねりが欲しいなあ。
もう一編は、食わず嫌いで申し訳ないが、最初のページから何か読みにくく挫折した。