甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

森達也「いのちの食べかた」

普段食べているお肉。
それは、牛、豚、鶏が形を変えたものです。

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元々は生きていて、それを間にブラックボックスを挟んで、スーパーでパック詰めのお肉という形で提供されています。
では、ブラックボックスでは何が行われているか。
本書ではそのことについて、子供にも分かり易く大きな文字で書かれている。
ちょっと話すと、屠場という牛、豚などを殺す場所で肉という形に変えられています。
その話を聴いて、可哀想だと思うかもしれませんが、著者はそれを知ることが大事だと説いています。
命を無駄にしないために知るべきだと思いました。
育った牧場から、車に乗せられて屠場についた牛や豚は、そこで最後の夜を過ごすそうです。
その文章を読んだ時切ないというか、夜空を見上げる豚の姿を思い浮かべました。
せめて美味しく食べるべきだと思いました。
悲しいことばかり書いているわけではありません。
屠場で働く人たちの、肉をさばく刀さばきというか、名人芸についても書かれています。
いかにして苦痛を与えずに殺すかという信念が感じられます。
ここにもプロフェッショナルがいるのです。

屠場で仕事をしている人はどういう人たちで、そもそも穢れとは一体どう言ったことなのか?
といった歴史のことについても踏み込んでいます。
道徳の勉強になると思います。