甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

ミステリー小説「冤罪死刑」

最初の章に出てくる死刑のシーン、すごくリアルでよく調べて書いたんだろうなと思いました。
ただ、このシーンが別に伏線になってるとか、登場人物に関係してるとかではなくて、ただ死刑とはこういうもんなんだよって書かれているだけで、物語に絡んで来なかったので拍子抜けしました。
恐らく、冤罪で死刑になる登場人物がいるので、死刑とはこんなに怖いものなんだよっていうのを印象付けるために描いたんだろうけど。

最初の誘拐のシーンで警察と報道機関のやり取りはリアルでスリルがあって面白いです。
ただ、その後は何だか無理なトリックというか、取って付けた感がある展開が多かった感じです。
殺された女の子の旦那さんの不倫相手が突然、手紙で登場したり、それまで一切出てこなかった人が、ちょっと出て来て、意外に重要人物だったり。
もうちょっと、匂わせといて出してくれると、人物が立体的になって物語もリアルになったかも。
心理描写もセリフでつらつら言わせてるから、こんな会話あり得ないだろってなってしまいました。
あと、突然場面が変わって、そのたびに主観が変わるのもちょっと読みずらかったです。

イメージ 1


最後はきちんと伏線回収できてました。
それは良かったです。
どんでん返しってほどはないですが、、、エピソードがぶつ切りなので、それぞれが繋がっていない感じにはなっていますが、よく考えて話は作られています。

場面、場面でリアルの描写がありますが、参考文献と取材をすごいしたんだと思います。
ただ、参考文献そのままなのかなっていうところもあって、もうちょっと小説らしく読ませてほしかったです。
あと、ユーモアのある軽い形容詞が多すぎてシリアスな話にコミカルな要素が入りすぎてちょっと戸惑いました。