森 博嗣著 作家の収支 読みました
タイトルに興味を持ったので読んでみました。
あくまで、著者を例として、作家がどれくらいお金を使って作品を作り、どれくらいお金をもらっているかが具体的な数値で書かれています。
理系大学の先生だったとのことで、とても自身の収支について客観的に分析されてます。
おおきく4つに分かれています。
・原稿料と印税
1ページ幾らと決まっているそうです。
この作家だからとか、内容がこうだからとか、関係ないのだとか。
普通の仕事だと、工賃の交渉とかありますが、出版社との、その辺の交渉はないようです。
漫画家と同じです。
印税は、印刷した部数分貰えるそうで、売れた売れないは関係ないそうです。
特に珍しく、面白いのが、他の著者の作品について、解説文や推薦文を書いた場合に貰える金額について解説していることです。
・その他の雑収入
テレビや、ラジオに出ると幾ら貰える、トークショーや講演会については幾らもらえるといったことが、体験談交じりに書いてあります。
作品がドラマ化される際、単発ドラマよりも、人の目に触れる期間の長い連続ドラマのほうが、宣伝効果が持続して、著作の売れ行きが
よくなるそうです。
やっぱり人の目に触れてなんぼなんですね。
・作家の支出
自営業なので、経費についての話や、クレジットカードが作りにくいといった話が出てきます。
国家公務員から作家になった著者だからこそ、思ったことが書かれてます。
・これからの出版
大量消費時代が過ぎ、必要なものがすべて行き届いた今、これからはミリオンセラのような大ヒットはないだろうとのことです。
そのかわり、サブカルなものやマイナなものが頭角を現すそうです。
確かに、ネットの普及も手伝て、自分の好きなことだけを調べて、そこで見つけた好きなものだけを買ったりするようになりました。
アイドルも誰もが知ってる人は出てこなくなったし、誰もが知ってるヒット曲も出なくなりました。
普段、薄々感じていたことを、こうやって分析した文章に触れることで、ちょっと腑に落ちました。
だから、出版社や作家も、多種多様なものを提供していく必要があるそうで、出す側は、これから大変だなといった印象です。