甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

「青木雄二漫画短編集 完全収録版」泥臭い絵、だけど読んでしまいます

恐らく未発表作「酒場ブルース」が収録されていて、その絵柄がまだ完成していないし、話も平坦なので商業誌には乗らなかったのだろう、だけどナニワ金融道の片鱗というか作風がちょっと見えてて、個人的には面白かったです。

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キャバレーに勤める主人公が仕事の辛さで、家にいる時頭を抱えるシーンが印象的。
仕事に悩むのはいつどんな職業でも変わらないね。
下手糞なんだけど味がある絵で、セリフ回しがやっぱ上手だから読ませる。
手書きの大都会にビルが林立した風景の大ゴマとか何とも言えない。
綺麗に定規でパース取ってトーン張った綺麗な背景もいいけど、こっちのほうがごみごみしてる感じが出てる。
あと、初めて賞を獲ったという「屋台」という話がいいですね。
大きな建設会社を辞めた主人公が資本主義と言うものを憂うという話なんだけど、
「我々はどれだけ一生懸命働いて立派なビルや道路を作ったとてそれはどれ一つとして自分のものではないということだろう」
っというセリフはちょっと考えさせられるな。
作者は物書きになるべくしてなった人って感じ。
言いたいことや不満がある人じゃないと作家にはなれないのでしょう。