甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

城山三郎「当社別状なし」、少し株の勉強にはなる

中丸という憲兵から社長になった男が、自分の会社を大きくさせるために、尾川という敏腕の技術者をヘッドハンティングするところから話が始まります。
尾川も最初は自分のほうが大きいので、中丸の話に乗りませんが、強引な誘いと尾川の家族を取り込むことで、自分の会社に引き入れます。
ところが、尾川は自分の言うことを聴かず、思い通りに動かないことから、そういったところで騒動が起きたりします。
話は、中丸と尾川の主観が交錯するように展開されます。
途中で二階堂という経理マンのキャラクターも出て来てこちらの視点でも話が進みます。
ハッキリ言って、視点は一つにした方が面白かったかもしれません。
どっちの側の事情も分かってしまって、手品の種が分かったような感じでちょっと白けたかな。

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話は会社が大きくなるにしたがって中丸社長の傲慢経営が目立ってきて、借金が増えて行くって言う内容です。
株主や銀行に良く見えるように不正経理をして、高額の配当金や借り入れを行いどんどん設備投資していきます。
尾川が注進しますが聴く耳を持ちません。
ステレオタイプなキャラクターなので、いまいち表裏が無くてちょっと読んでて軽かったかな。
あと、後半が急ぎ足であらすじを読んでるみたいでした。
自社株買いをしたり設備投資をしたりと言った話は、株の勉強になったかな?
話としては大きな、回転も無く、ああそんな感じかという感じで終わります。