甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

「今日から日雇い労働者になった 」を読んで

著者が、1カ月間 日雇い労働者、宿無しの生活した体験をレポートにしたもの。
作業場、ドヤ、コインロッカーなどの本文に即した写真有。
まず、著者は、本物の日雇い労働者ではないので、本当にこれで生活している人と考え方も、導き出す答えも違うと思います。
あくまで、1カ月やってみた体験記と、その感想と思って読んだほうがよいでしょう。

書いている内容は、体験しただけあってリアルです。
 古紙回収の仕事は腕がパンパンになる。
 流れ作業は退屈なので時間がなかなか経たない。
 一緒に仕事している人がのろまで、同じ賃金で働いていると思うとイライラする。
 ネカフェの深夜パックは、日雇い労働者でいっぱいになる。
 休憩時間は、雑談もなく、ほんとに同僚と思えない。
など。

考えさせれたのは、こういった日雇いの仕事が、誰にでもできる単純労働が大半だったということです。
だから、取り換えもすぐできるので、辞めるにあたって、引き留めも何もないということです。
実際、著者が仕事を辞めることを派遣会社に告げると「あっ、そう。」くらいで終わっています。

まるで、物のように人を調達して、要がなければ、打ち切り。
必要になればまた呼ぶ。

また、1か月にすると、社員の初任給より低い賃金になるのに、日雇いで9000円もらうと、そこから抜け出せなくなるということも書かれています。

日雇いの仕事の中には、ホームレス以外に、主婦や仕事が暇になったサラリーマンも来ていて、その人にとっても日雇いは必要とのこと。
各立場の人にインタビューして、それぞれの側からの見解を得ています。

また、労働の内容には質があり、クリエイティブな仕事は、この人にしかできないから質が高く、日雇いのような単純労働は、誰でもできるから質が低い。といった感想も。

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ほとんどの人が、他人から承認されたり、認められたりしたい生き物なので、出来れば自分にしかできない高賃金の仕事をしたいと思います。
だけど、日雇いという仕事をやらざる負えない人達。
でも、こうなったのは本人の責任でもある部分もあれば、それだけでない部分もあるし。。。

ただ、やはり本当の日雇い労働者でない著者は、考えることはあれど、ガチの日雇い労働者、ホームレスとは違うという思いがあるようです。
違うという思いから、自分もやった雑誌拾いをしている人を浅ましく思ったり、「俺は違うぞ」と、高い天ぷら定食食べてみたり。
ただ、体験記としては、読んでおいて損はないです。