甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

「図説 現代殺人事件史」色んな事件を読んで犯罪者の心理について考える

戦後から2008年までの殺人事件について、1事件ずつ見開き2ページで紹介されています。

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事件現場や犯罪者の様子を写した白黒の写真が、臨場感を与えてきます。
事件のきっかけと犯罪者の動機、捜査の進め方や裁判の結果など、事件の成り行きを開設しています。
「犯罪は世の中を映す鏡」と言いますが、戦後の事件は、窃盗など物資不足からくる殺人が多くいです。
現代に近づくにつれて世の中が豊かになると、ゲームのように自分の欲求を満たすための殺人や保険金殺人や他人を先導しての大量殺人など巧妙に、そしてより不気味になっていきます。
最近の事件は、動機が誰でもよかったとか、むしゃくしゃしたからとか、人を殺してみたかったというものが多いような気がします。
世の中が変わって来たのか、昔からそういう事件はあって、最近数が多いから増えたのか報道するから多いように見えるのか?
それはこの本からは分からないけれども、そういう事件は、動機が単純というか無差別に人を殺すということは、自分が犠牲者になるかもしれないわけで、色んな事件が紹介されている本書でも特に不気味に感じました。

自白による冤罪の事件もいくつかあって、これはとこれでとても怖いことだと思いました。
ある日やってもない事件で、お縄になって、自白を強要されるというのは、殺人事件に襲われるのと同等の恐ろしさがあります。
未解決の事件もあり、これも犯人が未だに捕まらずにどこかに潜伏していることを想像するとゾッとします。

そんな中で、犯罪者にも腑に落ちる動機があり、犯罪を起こさせる生育環境だったということが読んでて分かる事件もあります。
それは、たまたま生まれた環境恵まれてなかっただけで、不当な扱いを受けて犯罪を起こさざる得ないものもあるし、人間関係のもつれで起こしてしまったものもあります。

なるほど、誰でも欲望や願望がある、ましてや性格がバラバラな人たちがそれぞれ違う環境で生活する以上、何かが起こるのは仕方がないことです。
本書のあとがきに納得しました。
すべての人間は本質的に犯罪者になる可能性を持っていて、正常者と異常者の別はないという、犯罪者を「陰の隣人」と表現しているところです。
誰でも、正常から異常に突き抜けてしまう可能性があるのであって、本書などを読んで、色んな事件を考察することによって、そのメカニズムを知ることは自分が犯罪者にならないようにすることに繋がると思います。