甘いもん好きおやじのブログ

日常の面白いことを描きます。

鍛えて最強馬を作る

戸山為夫著、前から気になっていたので読みました。
競馬はしませんが、ウイニングポストというゲームはするので、競馬には興味あります。

1992年の皐月賞とダービーに勝利し、残念ながら菊花賞は2着だった準三冠馬ミホノブルボン
その調教師である戸山為夫さんの自伝的な本です。
巻頭数ページは、カラー写真でミホノブルボンの雄姿が。。。
巻末には出場した全レースの成績が書かれてます。

戸山流ハードトレーニングで、もともとスプリンターだったミホノブルボンが滅茶苦茶鍛えられて、
皐月賞とダービーに勝利し、3000mの菊花賞でも勝つか負けるかの勝負をしたのはすごいことだと思います。
馬の素質もあったと思いますが、この本を読むと、時間を惜しまず調教師や調教助手など関わっていた人たちが
いかに頑張っていたかが分かります。

戸山氏の信念とか理論を証明するためには、強い馬が必要で、実践すると大概の馬が壊れてしまったそうです。
出会ってきた馬たちが、身体は強いけど素質がない馬とか、素質があるけど体が弱い馬とか、、、、
晩年になってやっと、それを証明できるミホノブルボンとの出会い。
結果、ミホノブルボンは、三冠馬にはなれなかったけれど、クラシック2勝し、菊花賞で2着になった。
氏の信念と理論は証明できたと思います。
それに、菊花賞に負けたことで、却ってドラマ性が高まって記憶に残る一頭になっています。

改革の人で、競馬界を若返らせるために調教師に定年制を取り入れようとしたり、坂路を早くから取り入れたり。
騎手時代に活躍できなかった分、調教師時代にその何倍も活躍しています。

文章がとても読みやすく、競馬を知らない人でも読めると思います。
また、表現が豊富で、私小説的な読ませる内容になってます。
正直、学者でも小説家でもない、競馬の調教師が、これほどの文才を持っていることが驚きです。

仕事の流儀的なことも書いてあります。
なぜ負けたのかを書く習慣、窮すれば通ず、若い人の意見を聴くといった、一般の仕事に役立ちそうな
ことも書いてあり、競馬に興味がない人も読んでみるとよいのではと思いました。